海里のブログ

半額シールを貼るために、私は眠りから覚めた。

業務連絡は何年も前からなくなって、レジも、鮮魚コーナーも、シフト表も消え失せた。

私は目覚める。スーパーの跡地に半額シールを貼るために。それが私の日常のタスクであるからだ。

しかし、私の身体は何重にも縄で縛られていて、狭い空間……人間一人が横たえられるスペースに閉じ込められている。つまりは棺桶だ。

それは何故か?

だが、今回の主題はそうじゃない。こんなのは物語の導入部の、どうだっていい一文でしかないんだから。

私が今現在、身動きが出来ず、ただ横たわっているしか出来ないという事が一番大事なのだ。

お前にもそういう時があるだろう。

今日はそういう時に役立つライフハックを教えてやろう。

 

 

生き埋めにされた時、何をして時間を潰せばいいの!?

この現代社会で生き埋めにされるという事は、余程のカス野郎かサディストの奴隷のどちらかであろう。

私は前者だが、世間には後者の方が多いだろう。少数だがカス野郎かつ、サディストの奴隷も存在する。

そんな救いようのない人間にも退屈は訪れる。

私が長年の間に編み出したこのライフハックを紹介しよう。ついでにAmazonリンクも踏んでほしい。

 

 

1 存在しないことわざを考える

慣れるまでコツがいるが、一度モノにしてしまえばそれなりに時間を潰せる。

こういった内向きな娯楽は「一人で何考えてるんだ?」という感情さえ殺せればいくらでも続けられる実にクリエイティブな娯楽であり、

非常に地中向きの娯楽であると言えるだろう。

情報化社会から切り離された存在たるお前にはスマホでくだらないまとめサイトを見るよりこちらの方がお似合いだ。

一人で・何もない場所で・出来る娯楽が基本となっているので、このような言葉遊び系はいくらでも紹介出来るのだが

どうも似たり寄ったりになってしまうし、

各々好みがあると思うがそれは地中遊び師中級レベルになれば自分の向き不向きも見えてくると思う。

しかし基本的に地中には自分以外の人間は存在しないし、上手く出来なくても自分を責める必要はない。もはや比べるべき存在も居ないのだから……

今記事の仮定は「一人で生き埋めにされたら」である。もし、二人で生き埋めにされた場合のライフハックが知りたかった読者にはもうしわけないが、

そちらはNoteに有料で公開しようと思っているので、興味のある者はチェックしてみてほしい。

最後に、参考として私が考えた存在しないことわざを掲載する。

 

「活きが良い人間煮れば皆同じ」

鮮度の良し悪しあれども、結局煮ればだいたい味は同じという意味。

 

「蟻地獄に水を流す」

何もかも台無しにするという意味。

 

「設定画集で焚き火」

オタクをとにかく怒らせる行為であるという意味。

 

「タペストリーで焚き火」

オタクをとにかく怒らせる行為であるという意味。

 

 

 2 何秒息を止められるか試してみる

地中は酸素が少ない。

普段と同じ様に吸ったり吐いたりしていては死がすぐにでも近づいてくる。

一体どのような原因でお前が地中の中に居るのかは知らないが、何だとしても出来るだけ死へのタイムリミットは先延ばしにしたいはずだ。

そう。本当はこんな事をしている場合じゃない。お前はずっと地下に埋まっていたら死ぬ!

蛋白質で構成されたお前、お前はおそらく人間だ。この2018年に生きていて、なおかつ、日本語が読める、人間だ。

生きている。このクソみたいな現代社会で鬱屈した日々を過ごし、代わり映えのしない日々を「そういうものだ」と受け入れては

毎朝流れる残忍なニュースに「酷い」と憤ってみたりもするだろう。

本当に何が悪くて何が善い事なのかを判断する力などは、とうに奪われ安い娯楽に追われ、

日々を無為に消費し時間が溶けていく何がしたいかも分からぬままに生きている俗世の民!

お前は遊んでいる場合じゃない。虫と微生物に食われて分解されて大地の一部となり誰からも思い出されなくなってしまうのは嫌ではないか?

その場合は、私の著書「生き埋めにされた時の脱出マニアル」を買って読んでほしい。続刊「かならず地中から出れる!」もオススメだ。

さらにメルマガ会員になれば毎月最新の生き埋め情報が得られて、とても便利なので検討して欲しい(月額500円)

 

 

 3 脱出した時の第一声を考える

地中に埋められるというのは、冒険だ。人生だ。

子供の頃に失った夢や希望が地中にはある。どんぐりもある。

しかしどんな冒険にも終わりはつきもの、かならず夢から覚めなくてはならない(明日仕事あるし)

その時、地中から出た時。まず第一にお前は何と言うだろうか? これは非常に大切な事である。

私の様に将来、自伝を書く際にも、地中からの脱出というのは一大イベントのはずだ。

人生の大切な一瞬を、「おお」とか「ああ」等の二文字で済ませて良いのだろうか!?

良いはずがない!

安心してくれ、時間はたっぷりとあるのだから。

いくらでもお前はこの地中で、存分に、永遠に、自分だけの名言を生み出してくれ!

しかし今のこの時、現代日本、たかだか地中から生還した程度ではネットも沸かない。

精々「俺ならもっと早く脱出したけど(笑)」とSNSの類に書き込まれるだけである。

血と唾液とコンクリの国には温情など存在しない。あるのは屍と売れなくなったラノベだけだ。

愚鈍共はもっと強い刺激を求めている。少なくとも悲劇ではなく喜劇である。

説教臭い教訓よりも3秒で笑える短文、残酷な救いのない話よりオチのあるGIF動画の方がより好ましいだろう!

言ってしまえば自伝なんて古臭い、読んでもつまらない、他人の人生なんて興味がない……エトセトラ!

言葉は人に聞かせなくては意味がない、人生は知られなければ意味がない、承認されなくては意味がない!

であればお前の大切な人生の一瞬を、どうやって他人の脳みそに突っ込むか?

それについては、来月発売予定の著書「かならずSNSでバズれる!」をぜひ手に取ってみてほしい。

発売記念サイン会などのイベントも予定している。私も読者諸君に会える日を楽しみにしているぞ!

 

 

4 人生を振り返る

お前は今までいくつもの困難を乗り越えてきた。エライぞ、頑張っている! だが、今は土の中だ!

人生色々あっただろう。

私の人生も色々あった。

私は予てから不摂生な生活を送っており、毎日の食生活はと言えばとてもじゃないがここに書ける事ではなかった。

仕事の天狗観測にも支障をきたす程、毎日肉を喰らい浴びる程酒を飲んだ。一体何が私をそこまで駆り立てるのか。

人生の色という色を味わい尽くした(人生の色というのは、主に天狗、肉、酒で構成されている)

私の身体はいつしかボロボロになっていたのだ。

ある日職場で天狗を観察している時、まさにその瞬間であった。私が病に倒れたのは……

病院で目を覚ました私は、医者にこのままの生活では良くないと諭され己のたるんだ精神を叩き直す事にしたのだった。

そして出会ったのがこの青汁だ。

初めは私も効果を疑っていたが、無料サンプルでハッキリと効果を実感した!

私は家族や大切な人のためにも自身の身体を大切にし、健康な生活を送る事に人生の意義を見出したのだ!

まずは無料サンプルからでも良いので試してみてほしい。初回購入者にはなんともう1パックついてくるぞ!

 

 

5 死ぬ

説明不要

 

 

 

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いかがだったろうか? きっと自分にピッタリの暇つぶし方法が見つかったはずだ。

人生には終わりがあるが、少なくとも今ではない。お前の人生、地中に埋まって大自然と一体になるのはもう少し先の話だろう。

もう現実世界で辛い事があっても大丈夫だ。何故ならお前には意志がある、地面から這い上がる力がある!

明けない夜はない。止まない雨はない。そして出られない地中はないのだ!

共に行こう。生ぬるい安全な地中を飛び出して、死と快楽に満ちた地上へと!

 

……私がどうやって地下から脱出したかって?

甘えるな! Noteを定期購読しろ!

 

 

 

 

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