2018/7


ビスケットを食べる

ミニビスケットを食べる

ビッグビスケットを食べる

咀嚼

嚥下

ビスケットは全て

それは言いすぎだ

ビスケットは宇宙

それは言いすぎだ

ビスケットは家族

それは言いすぎだ

ビスケットは友達

それは言いすぎだ

ビスケットはビスケットだ

粉々に砕いてもビスケットはビスケットだ

土に埋めて100年経ってもビスケットはビスケットだ

人類が滅んで不毛の世界になってもビスケットはビスケットだ


それから歩き始めて

それから歩みを止めた

まだ次の目的地にも辿り着けず

もう長く息をしていない

いまどこへ行っても

だれも居ない街に

かれも居ない国に

あめも降らない砂漠に辿り着く

どこへでも行ける気分は

すでに消えていたのだが

まだ歩こうとしている人間だった

まだ歩けるうちは歩こうとしているのだった


空白

空白が世界を覆い尽くしては

尽くしてはもう一度書き込む黒鉛の落書き

描かれるは存在しない記憶と空想と

すぐに忘れてしまう様な英雄と

飽きてしまった恋物語をもう一度

二度三度続いていく終わりのない物語

その終わりは常に誰かが決める

観衆に飽きられ捨てられたら

捨てられたらもう一度書き込む黒鉛の落書き