誰もが一人きりで蝕まれている
見えない空気に肺を焼かれている
秩序のない世界に混沌もない
ただ無味乾燥な最低が根を張って
日々の暮らしを養分にしている
誰もが何に祈るべきかも知らない
何を恐れているのかも知らない
ただ最低がのたうって
お前の肺を焼いている
最低はずっとここにある
味のしない菓子が舌をざらつかせる
味のしない言葉が舌を乾かしていく
味のしない世界を貪っても
ただこの喉を焼いていくだけ
どこにアクセスしても 白いページ
それか苦痛の味知る 人の声
強者がこの世界作り上げ
分け隔てられた我ら舞台役者であるのみ
コメディ ロマンス ホラー 何だって
顔や声や身体や生まれ
名付けられるのは短いミーム長々と客観
白いページ 無機質な幸福のページ
ロードする この世の幸福がなだれ込んで
不幸をかき消す幸福の光 網膜焼き付く白いページ
フィクション キャラクター 与えられるが
ご都合主義 舞台役者に 人格など不必要か？
くたびれた舞台役者にも陽が当たれば
繰り返される何度めかの陰気
陽がさす、陽がさす、陽がさす
暗い世界を一層深める
陽がさす、陽がさす、陽がさす
誰もが物語を欲しがっている
やぶれかぶれの仇話に陶酔
悲しいだけの歌に お前 何を見る
楽しいだけの歌の どこに 命がある
物語が乾いた血を塗りつぶす
物語が悲しみをなかった事にする
物語が幸福で世界を満たす
めでたし、めでたし、めでたし