2019/1

美しく儚い偶像よりも

実地的な 言葉と力

であれば詩情に欠いた 暴力の韻律を

一瞬の輝き それこそは誰かが決めた永遠の死

だから 咎 切り裂く声が欲しい

透明は何にも染まれない、それが望まれた定めであれば

君もあなたもお前も私も

無色は永遠に濁れない

色とりどりの中 散々に染められていくだけの

切り取られたフレームの端の 腐葉土の上の 花瓶の中の 窓枠の下の、いずれは枯れる無垢などには!

過ぎた命などは鼻で笑え 世界は定義されるものでなく

この脳髄に形どられた虚偽だけが救い

もっと吠え叫んで それか祈って

銃なき世界で忌まれる人の瞳になる


気取っている

人みたいに

病まない声で語りたい

善良さ

それもまた罪悪に

変わっていく瞬間を知れば

血もなく水もなく

ただ乾いた大地に立つ

人肌の感覚さえも

痛みを伴う苦痛に変わるが

それを誰が責められようか

罪なくして罪を背負う

人間様には分かるまい

業を知らずに業を憎む

愛だけで成り立つ世界じゃなし

病んだ人々蹴落とされれば

次なる舞台すら待っていない

偽る事をやめたら

真実はただ破かれ

捨てられ

善良が浸透

いずれは死にゆく我が身を憐れめ

人間様


もうしません 咎が腹部を裂いて

ありもしない罪業に懺悔する

もうしません

それから歯を見せ笑って

力ないまま死に往くなんてありえない

のさばっている少しばかりの倫理に

開いていく血の通わない夢物語

お前とお前のどちらが死ぬ?

知らない幻想に踊らされるなどたまらない

ああ見てくれ、理念に生きる素晴らしさ

それ故地を這う慎ましさ

バカげた理屈じゃ生きられない

押し付けがましいなんて酷い

実情欠いてる議論が平行

感情去勢し道理に従え

誰かと誰かと誰かのために

私はいつまで私で居るのか

散り散りに砕かれた思想が強行

手放しの賛成に反する事など

それこそ稀代な愚かさひれ伏せ民衆

フィクションに眠れ


無罪

流れる

断崖

殴り合うなと諭されれば

全て変わらぬ今を保持して

嘯く博学 世界を俯瞰

無罪で良い 綺麗な世界で

罪のないまま 死にたいね

有害な思想にメス入れろ

妄想 空想 幻想なんだと

感情 去勢し 従わせる

いつでも お前は 綺麗なままで

しめて儲かる善なる虚栄

生まれ落ちれば皆平等

いやいや不平等 構造を知れ

無知も 無学も それ全ても

ゲームの一コマ 面白い

実験してくれ 存分に

その身使わず人の身で!

そして変わらぬ世界を維持して

綺麗なまま 死にたいね!


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